ヨドコウ迎賓館館長 岩井 忠之
2015年10月より副館長を務め、2016年4月より現職。2017年6月にアメリカのライト作品を巡る「フランク・ロイド・ライトツアーイースト」に参加。
3日目 ~ASBH~
まずは、ミルウォーキーにある1915年から1917年にかけて建てられた、「The American System-Built Homes(通称ASBH)」と言われる住宅6棟を見学しました。
これらの住宅は工場で部材を造り現地で組み立てるプレハブ型の住宅です。
手頃な価格で住みやすい住宅をこの周辺に大量に建てる計画だったそうで、ライトはこのプロジェクトにかなり力を入れ、900を超える図面やスケッチを描いたと言われています。
しかし、1917年に始まった戦争による資材不足のために、このプロジェクトはあえなく終了してしまいました。
次の写真は「リチャーズ2戸型アパート」です。4棟の内1棟は改修済で、2棟の内部を見学しました。
シンプルで同じデザインの住宅が並んでいますが、なんとなく当館とも似ているような気がしませんか︖当館の設計は1918年ですので、時期的に近いせいかもしれません。
シンプルで同じデザインの住宅が並んでいますが、なんとなく当館とも似ているような気がしませんか︖当館の設計は1918年ですので、時期的に近いせいかもしれません。
次の「リチャーズ小住宅」は平屋で陸屋根の小規模なプレハブ住宅です。
軒樋がなく、煙突に沿って雨水を落とす縦樋があります。内部の壁は下が濃い色で上に行くほど薄くなっているのですが、これは部屋を少しでも広く感じさせるための工夫だそうです。
軒樋がなく、煙突に沿って雨水を落とす縦樋があります。内部の壁は下が濃い色で上に行くほど薄くなっているのですが、これは部屋を少しでも広く感じさせるための工夫だそうです。
3日目 ~ジョンソン・ワックス社~
次はカビキラーでお馴染みの、ラシーンにあるジョンソン・ワックス社の本社です。
大変ユニークなデザインで有名ですが、残念ながら室内は撮影禁止でした。
奥に見えるタワーは研究棟です。
窓は板ガラスでなく直径の異なる管状のガラスを重ねて作られています。大変明るいのですがやはり暑かったようで、つなぎ目のコーキングからは雨漏りがしたようです。
中央にらせん状の階段があり、その周りが部屋になっているという変わった構造になっています。
大変ユニークなデザインで有名ですが、残念ながら室内は撮影禁止でした。
奥に見えるタワーは研究棟です。
窓は板ガラスでなく直径の異なる管状のガラスを重ねて作られています。大変明るいのですがやはり暑かったようで、つなぎ目のコーキングからは雨漏りがしたようです。
中央にらせん状の階段があり、その周りが部屋になっているという変わった構造になっています。
研究棟から事務所棟に向かう通路には、事務所棟の写真でよく見るハスやキノコに形容される柱の縮小版が並んでいます。
突き当りが事務所棟の入り口です。
突き当りが事務所棟の入り口です。
外から室内を撮った写真です。
有名な事務所棟の柱は、上にいくほど太くなり最上部では大きく広がっています。縮小版である、上の写真にある通路の柱からイメージしてみてください。
事務所棟の中央部は吹き抜けで開放感があり、天井には管状のガラスが使用されています。柱をハスに例えると、葉のすき間から自然の光が柔らかく射し込まれているようで、写真で見る以上に明るい空間になっていました。
有名な事務所棟の柱は、上にいくほど太くなり最上部では大きく広がっています。縮小版である、上の写真にある通路の柱からイメージしてみてください。
事務所棟の中央部は吹き抜けで開放感があり、天井には管状のガラスが使用されています。柱をハスに例えると、葉のすき間から自然の光が柔らかく射し込まれているようで、写真で見る以上に明るい空間になっていました。
ライトは家具もデザインしましたが、ここで面白い椅子を作っていました。それは三脚になっていて、正しい姿勢で座らないと転倒してしまう椅子です。
さすがに苦情が出て、四脚の椅子を作りました。
写真が四脚の椅子ですが、前の足が一つになるわけですので、それでは仕事に集中できませんよね(笑)
さすがに苦情が出て、四脚の椅子を作りました。
写真が四脚の椅子ですが、前の足が一つになるわけですので、それでは仕事に集中できませんよね(笑)
ジョンソンワックス社を後にして、再度バスに乗り込みます。
この日は朝ホテルでランチボックスが配られていて、この後1時間半かかる移動時間を利用してバスの中で食事を済ませました。
そのランチボックスを開けてびっくり︕
巨大なサンドイッチと小ぶりのリンゴ丸々一個に少量のサラダというメニューでした。
30cm以上あろうかというパンに、レタスとトマトが薄く敷かれ、その上にハムが6~7層重なり、最後にスライスしたチーズが挟んでありました。
ややげんなりしながらも、マヨネーズとマスタードを塗って食べてみると、これが結構美味しいんです。パンもハムもしっとりとしていて、塩気がやや強めでしたが日本で食べるサンドイッチより美味しいくらいでした。
たださすがに量が多く、人によっては半分に切って2食分にしたそうです。
この日は朝ホテルでランチボックスが配られていて、この後1時間半かかる移動時間を利用してバスの中で食事を済ませました。
そのランチボックスを開けてびっくり︕
巨大なサンドイッチと小ぶりのリンゴ丸々一個に少量のサラダというメニューでした。
30cm以上あろうかというパンに、レタスとトマトが薄く敷かれ、その上にハムが6~7層重なり、最後にスライスしたチーズが挟んでありました。
ややげんなりしながらも、マヨネーズとマスタードを塗って食べてみると、これが結構美味しいんです。パンもハムもしっとりとしていて、塩気がやや強めでしたが日本で食べるサンドイッチより美味しいくらいでした。
たださすがに量が多く、人によっては半分に切って2食分にしたそうです。
3日目 ~ウィンズロー邸~
サンドイッチと悪戦苦闘している間に、イリノイ州に到着。
まずはサリバンの事務所から独立して最初に設計した、リバーフォレストにあるウィンズロー邸を見学しました。残念ながら中に入ることは出来なかったので、外観だけの見学です。
庇が迫り出し、寄棟屋根で左右対称なデザイン。よく見ると玄関左右の窓枠や扉には装飾がされています。まだ草原住宅(プレイリーハウス)のイメージは、あまりありません。
この周辺は高級住宅街のようで、広い土地に豪邸が建ち並んでいました。住宅街の入口にある門もライトのデザインだそうです。
次はフランク・ロイド・ライトが家族と過ごしたHome&Studioです。
次はフランク・ロイド・ライトが家族と過ごしたHome&Studioです。
この記事は2018年1月20日にヨドコウ迎賓館のブログに掲載されたものです。